バトルのすゝめ(2) 手強い敵を作ろう
このコーナーでは、主に初心者さんに向けた戦闘関連のテクニックを紹介していきます。
RPGツクールVXAceで説明していきますが、多くはVXや他のツクールでも可能です。
合言葉は「これが奈々流AI作成!新条件によってさらに強靭になった!!」
引き続き3回に別けてエネミーの戦闘行動について解説します。
いやしかし、デフォルトのAIはアホだと思っていませんか?
どうしても敵がパッとしない行動を取ると困っていませんか?
そんな教育にも似たお悩みを解決していきましょう!
手強いことは強いこと、今回は「歯ごたえのある強敵の特徴を出すAI」です。
つづきはこちら、からどうぞ。
千里の道もツールから
データベースよりエネミータブ、戦闘行動を開いて下さい。
各項目にマウスカーソルを置くと説明文がポップします。
前回使わなかった条件を見ていきましょう。
行動条件のターン数。
バトルイベントのものと同様に、A+B*Xで設定します。
Aはその行動を取る最初のターンであり
Bはそれ以降、何ターン毎に行動を取るかを示します。
AとBの使い分けで色々と設定可能ですので気を付けましょう。
自分、つまり「そのモンスター自身」のものを参照します。
行動条件のパーティレベルです。
プレイヤー誰かのレベルが、この値以上なら行動します。
それから右上の優先度ですが
前回は1つ違いと2つ違いを使い、選ばれる確率を変化させました。
今回はそれに加えて、3つ以上違うと選ばれない仕様を使います。
これを使った「上書き」式AIが今回のテーマになります。
交戦ターンの大原則
まず、どうして前回これらの条件を封印したかです。
これらは全て「プレイヤーの攻撃に数ターンは耐えられる」のが前提です。
プレイヤーが約4人として、それらの攻撃で2ターン以内に倒される
ザコ敵に設定しても、その行動が日の目を見ることはありません。
従って、攻撃に多少耐える程度の強敵で1つの条件行動
ボスクラスでやっと複数の条件行動が許される、と考えてください。
二階建て(ダブルパターン)
前回のワンパターン、5:4パターン、5:3パターンのどれかを作成します。
これを一階部分と考え、ここに二階部分を足すのがダブルパターンです。
追加するのは「条件付かつ優先度が高い」ことを除けば殆ど同じです。
即ち優先度10のワンパターン、10:9パターン、10:8パターンの3つです。
5:4パターンに、10ワンパターンを追加することで
瀕死になると必ず回復呪文を唱える悪魔神官。
5:4パターンと10:9パターンを使って
MPが減ると魔法を節約する見習い魔術師。
一見、瞑想の行動が被っていて面倒なやり方に思えるが
確率計算の手間と確実さを考えればこの方法がベスト。
5ワンパターンに10:8パターンの組み合わせで
最初にエンチャントしてから戦う魔法剣士。
逆に5:3パターンに10ワンパターンで作ることも可能。
またターンではなくステートを使うことで
エンチャントが切れたときに掛け直すAIにも出来る。
更なる建て増し
優先度の仕様があるため、完全な形では二階建てが上限です。
しかし、ワンパターンと5:4パターンのみで構成する場合は
優先度2:1 / 6:5 / 10:9での三階建てが
また理論上、ワンパターンのみの建て増しで
優先度1 / 4 / 7 / 10の四階建てが可能です。
基本的にザコは一芸を磨くべきで、アレコレ建て増すのは悪手ですが
条件行動を2段階や2種類くらい設定したいときには有用です。
また、パーティレベルの条件を使うことで
擬似的なレベルアップを実装することが出来ます。
完全分岐の想定
例えば、ターン数が1+2*Xの場合と2+2*Xの場合や
HP / MPが51%~100%の場合と0%~50%の場合など
それぞれが「絶対に重複しない」条件というのがあります。
これらは併せて1つの条件として考えて良いわけです。
それぞれ条件付きの6行動で組まれていますが
上2つは、常時:優先度5のワンパターンとして
中2つは、HP0%~50%:優先度10の行動として
下2つは、HP0%~50%:優先度8の行動として
5ワンパターンと10:8パターンの二階建てとして成立します。
この様に複雑な戦闘行動を組む場合には
優先度、条件の順に規則的に並べて
基本的なパターンの枠組みで把握することが大事です。
プラスパターン
文字通り、追加で載せられるパターンです。
これは頻度が低く、例外的な行動として許されるものです。
例えば条件がHPでHP回復(MPやステートも同様)や
特定のターンのみ(A+B*XのBが0または非常に大きい数)など。
既に紹介したパターンだけでも十分なバリエーションが作れますが
自分の理想がある場合にアクセントとして使うと良いでしょう。
強敵に適したAIとは?
以上、紹介したものが強敵を作るためのAI……ではありません。
違いますよ、勘違いしないように。
より複雑な行動を、簡単かつ特徴的に作るためのパターンです。
RPGの戦闘というのは、対戦型のゲームではなく攻略型のゲームです。
プレイヤーは与えられた条件で、敵を攻略していくわけですので
強敵かどうかは、寧ろ戦闘行動以外の要素が大きなウェイトを占めます。
データベースの他項目と連携しつつ、テストプレイを繰り返して練って下さい。
(設定では強キャラのはずが、とんだザコだったなんてザラですよね)
ところでロールプレイングするのは、敵という役割を演じる敵も同じ。
同じ強敵でも色々あり、それを最終的に表現するのが戦闘行動です。
そこが遊ぶのも作るのも楽しいところだと思います。
今回紹介したのは、そうやって考え付いた敵の特徴を
「演出」するための技術、思いを形にするテクニックだと思っています。
手強い敵AIを作るには、やっぱり楽しんで作ること。頑張って下さい!
RPGツクールVXAceで説明していきますが、多くはVXや他のツクールでも可能です。
合言葉は「これが奈々流AI作成!新条件によってさらに強靭になった!!」
引き続き3回に別けてエネミーの戦闘行動について解説します。
いやしかし、デフォルトのAIはアホだと思っていませんか?
どうしても敵がパッとしない行動を取ると困っていませんか?
そんな教育にも似たお悩みを解決していきましょう!
手強いことは強いこと、今回は「歯ごたえのある強敵の特徴を出すAI」です。
つづきはこちら、からどうぞ。
千里の道もツールから
データベースよりエネミータブ、戦闘行動を開いて下さい。
各項目にマウスカーソルを置くと説明文がポップします。
前回使わなかった条件を見ていきましょう。
行動条件のターン数。
バトルイベントのものと同様に、A+B*Xで設定します。
Aはその行動を取る最初のターンであり
Bはそれ以降、何ターン毎に行動を取るかを示します。
AとBの使い分けで色々と設定可能ですので気を付けましょう。
0+5*X:5ターン毎に行動(最初のターンを含む)行動条件のHP、MP、ステートです。
5+5*X:5ターン毎に行動(最初のターンを含まない)
5+0*X:5ターン目に行動(その1回のみ)
5+1*X:5ターン目から行動(以降毎ターン)
自分、つまり「そのモンスター自身」のものを参照します。
行動条件のパーティレベルです。
プレイヤー誰かのレベルが、この値以上なら行動します。
それから右上の優先度ですが
前回は1つ違いと2つ違いを使い、選ばれる確率を変化させました。
今回はそれに加えて、3つ以上違うと選ばれない仕様を使います。
これを使った「上書き」式AIが今回のテーマになります。
交戦ターンの大原則
まず、どうして前回これらの条件を封印したかです。
これらは全て「プレイヤーの攻撃に数ターンは耐えられる」のが前提です。
プレイヤーが約4人として、それらの攻撃で2ターン以内に倒される
ザコ敵に設定しても、その行動が日の目を見ることはありません。
従って、攻撃に多少耐える程度の強敵で1つの条件行動
ボスクラスでやっと複数の条件行動が許される、と考えてください。
二階建て(ダブルパターン)
前回のワンパターン、5:4パターン、5:3パターンのどれかを作成します。
これを一階部分と考え、ここに二階部分を足すのがダブルパターンです。
追加するのは「条件付かつ優先度が高い」ことを除けば殆ど同じです。
即ち優先度10のワンパターン、10:9パターン、10:8パターンの3つです。
5:4パターンに、10ワンパターンを追加することで
瀕死になると必ず回復呪文を唱える悪魔神官。
5:4パターンと10:9パターンを使って
MPが減ると魔法を節約する見習い魔術師。
一見、瞑想の行動が被っていて面倒なやり方に思えるが
確率計算の手間と確実さを考えればこの方法がベスト。
5ワンパターンに10:8パターンの組み合わせで
最初にエンチャントしてから戦う魔法剣士。
逆に5:3パターンに10ワンパターンで作ることも可能。
またターンではなくステートを使うことで
エンチャントが切れたときに掛け直すAIにも出来る。
更なる建て増し
優先度の仕様があるため、完全な形では二階建てが上限です。
しかし、ワンパターンと5:4パターンのみで構成する場合は
優先度2:1 / 6:5 / 10:9での三階建てが
また理論上、ワンパターンのみの建て増しで
優先度1 / 4 / 7 / 10の四階建てが可能です。
基本的にザコは一芸を磨くべきで、アレコレ建て増すのは悪手ですが
条件行動を2段階や2種類くらい設定したいときには有用です。
また、パーティレベルの条件を使うことで
擬似的なレベルアップを実装することが出来ます。
完全分岐の想定
例えば、ターン数が1+2*Xの場合と2+2*Xの場合や
HP / MPが51%~100%の場合と0%~50%の場合など
それぞれが「絶対に重複しない」条件というのがあります。
これらは併せて1つの条件として考えて良いわけです。
それぞれ条件付きの6行動で組まれていますが
上2つは、常時:優先度5のワンパターンとして
中2つは、HP0%~50%:優先度10の行動として
下2つは、HP0%~50%:優先度8の行動として
5ワンパターンと10:8パターンの二階建てとして成立します。
この様に複雑な戦闘行動を組む場合には
優先度、条件の順に規則的に並べて
基本的なパターンの枠組みで把握することが大事です。
プラスパターン
文字通り、追加で載せられるパターンです。
これは頻度が低く、例外的な行動として許されるものです。
例えば条件がHPでHP回復(MPやステートも同様)や
特定のターンのみ(A+B*XのBが0または非常に大きい数)など。
既に紹介したパターンだけでも十分なバリエーションが作れますが
自分の理想がある場合にアクセントとして使うと良いでしょう。
強敵に適したAIとは?
以上、紹介したものが強敵を作るためのAI……ではありません。
違いますよ、勘違いしないように。
より複雑な行動を、簡単かつ特徴的に作るためのパターンです。
RPGの戦闘というのは、対戦型のゲームではなく攻略型のゲームです。
プレイヤーは与えられた条件で、敵を攻略していくわけですので
強敵かどうかは、寧ろ戦闘行動以外の要素が大きなウェイトを占めます。
データベースの他項目と連携しつつ、テストプレイを繰り返して練って下さい。
(設定では強キャラのはずが、とんだザコだったなんてザラですよね)
ところでロールプレイングするのは、敵という役割を演じる敵も同じ。
同じ強敵でも色々あり、それを最終的に表現するのが戦闘行動です。
そこが遊ぶのも作るのも楽しいところだと思います。
今回紹介したのは、そうやって考え付いた敵の特徴を
「演出」するための技術、思いを形にするテクニックだと思っています。
手強い敵AIを作るには、やっぱり楽しんで作ること。頑張って下さい!
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