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へぷたなすくろーる

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パラメータあれこれ  「防御力」はなぜ駄目な子なのか

RPGのあれこれをつれづれと語る何それ誰得なコーナー♪
「先生助けてっ!防御力ちゃんが息をしてないのっっ!!」
防御力が残念パラメータというのは今やRPGのサイレントマジョリティではないだろうか。
ACEで戦闘計算式や特徴といった自由度が大幅に増した今だからこそ
ツクールデフォルト仕様を叩き台にして考察してみたいと思ます。
合言葉は「全てのパラメータに正義を!……無理ならせめて愛を。」 その1、まず計算式が駄目ッ!
曰く「攻撃力 * 4 - 防御力 * 2」。つまり攻撃力+1が4ダメージ増に対して防御力+2が2ダメージ減。
もうこの時点でパラメータの価値は半減ですね。

じゃあ例えばこれを「攻撃力 * 4 - 防御力 * 4」にしたらどうかというと、それも駄目。
そうするとダメージが与えられないケースが一気に増えるので
元の式と比べても
同格の敵:「勝てるだろうがHPを削られて消耗する」→「互いにHPが減らず逃げるしかない」
格上の敵:「回復で耐えてダメージの蓄積で倒せるかも」→「攻撃が通らないので一方的に虐殺される」
格下の敵:「数が多いと侮れないので手早く倒したい」→「何体だろうがノーダメージ」
と面白さの欠片もないクソゲーになりかねません。
結局、常に攻撃力が防御力の2倍くらいあるような調整をするハメになり元の木阿弥。

その2、半端な防御すぎて駄目ッ!
一般的なRPGは「物理攻撃」と「魔法攻撃」の二本立てを基本とします。
攻撃力と魔法力は、そのキャラが戦士か魔法使いかで片方だけ伸ばせば良いのに対して
防御力と魔法防御は、相手が戦士か魔法使いかによってどちらも必要になってくる。
つまり防御力ってのは敵の攻撃のうち半分には役に立たないパラメータなんですよ。
総合すると防御力+1の価値は攻撃力+1の1/4、HP+1程度というわけですね。

じゃあ例えば魔法防御を廃止して防御力に統一してしまえばどうかと言えば、やはり駄目。
その場合は消耗しないHPという、上位互換パラメータになるわけですが
やはり防御力が強くなってしまうと「突破できない敵」や「リスクのない戦闘」といった
面白さをスポイルする方向に傾いてしまうため、これも製作者が自重するしかなくなる。

その3、安定供給が逆に駄目ッ!
防御力がゴミの様な価値しかないとは言え、数多のRPGにはしっかりと防御力が存在しているはず。
確かにその通り。でも装備品というものを考えて欲しい。
武器、盾、鎧、兜、装飾品……。わーぉ防御力が上がるスロットが3/5あるぞ!
そう防御力は"上げる"のではなく"上がる"のです。意識しなくても惰性で揃ってしまう。
となれば能力値上昇の機会は他のパラメータを望むでしょうね。安売りの起こすデフレーションです。
(更にバランスを取るため、防具それぞれの防御力は小出しになって地味なのも痛い)

その4、そもそも守りという発想が駄目ッ!
極論するとRPGというのは攻撃ガン有利なルールなんですよ。
まずターン制でもATBでも、行動キャラが行動を終えるまでは誰も手を出しません。
HPが残り幾つだろうが、死ぬまで全力で攻撃し続けることができます。
→だから敵を早く倒す攻撃は、パーティ全体を防御するに等しいです。
薬を飲んだら一瞬で全回復します。薬は金で買えます。金は敵が落とします。
経験値は、倒した敵の数と強さで決まります。戦闘不能で減ることもありません。
→だからもう世界自体が、攻撃より防御を固めてというスタイルを評価していない。
ACEの主人公エリック君がバーサーカーになるわけだね

アプローチ1、マイナスとマイナスを掛けてプラスに転ずる!
実はその1とその3を組み合わせれば大逆転が可能です。
方法は「攻撃力 * 4 - 防御力 * 4」の式で「攻撃力が上がるスロットを多くする」というもの。
矢弾やクリスタルなど、武器にセットする装備というのがイメージしやすいでしょうかね。
とにかく上記の逆作用で、無意識に攻撃力が高めになるため計算式のデメリットを消しつつ
価値の上がった防御力を上げる手段が減るため、ありがたみも増すという目論見です。
欠点は、装備スロットの名前や世界観との擦りあわせに工夫が要るかもってところ。

アプローチ2、パーティプレイを有効活用
その2とその4に関しては、ACEの特徴で実装しやすくなった「庇う」で解決できそうです。
敵の攻撃を一手に引き受ける「タンク役」が戦術として選べるようになっていれば
そのタンク役は防御力(や、魔法防御)を大きく上げる意味があります。
というのもタンク役1人の防御力でパーティメンバー全員の防御力を補えるため
他のメンバーは防御力を極端に落としてでも攻撃パラメータに割り振り
パーティ全体で攻守を高水準にできるからです。(その代わり全体攻撃に弱くなるという寸法)

アプローチ3、輪番計算式
アプローチ1と2とは違う方向のアプローチです。
私のヘプタナRPGに採用中のシステム(の一部)が、輪番計算式です。
例えば、ステータスを力、技、心の3つにします。
物理系のスキルは「力 * 4 - 技 * 2」
射撃系のスキルは「技 * 4 - 心 * 2」
魔法系のスキルは「心 * 4 - 力 * 2」
こうすればどのパラメータも攻守の両方に使われるため不公平はありませんし
物理系(力)→魔法系(心)→射撃系(技)→物理系
というような三竦みが自然に出来上がるので、意外と戦術工夫の余地があります。
ステータスを炎、氷、草のように属性と統合してしまうのも面白いです。

この計算式の欠点は公平な自由度を要求することです。
主人公が色々なタイプの特技を覚える、パーティがバランス良く揃っている
クラスチェンジやパーティメンバー交代が可能、自由な育成が可能、といったパターンです。
例えば主人公に射撃系スキルの使い手がいなかった場合
パラメータ「技」の存在意義は敵の物理系スキルに対する防御力だけになるため
「技はなぜ駄目な子なのか」と再び悲劇が繰り返されることになります。

まとめ
・RPGの不文律「攻撃>防御」は崩せなかった
・バーサーカーエリックの必然性を図らずも証明
・なぜ駄目な子なのか→出来る子だとプレイヤーが楽しくないから
・公平に作っても不遇なパラメータは出来うる→慢心、環境の違い
では、今回はこの辺で。

拍手[20回]

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Responses2 Responses
1.どうもはじめまして mo_nameさん (2015/07/10 00:20) [Edit]

20年くらいRPGの情報仕入れたり実際にプレイしたりを続けて分かったのですが、防御力が息していないのは
そもそも計算式の元になったD○(色々8倍すると合致する)にも存在する「耐性による割合・固定値軽減」がかなり大きく、
デフォ計算式のままだと「敵側攻撃力低下*2と自分側防御上昇*2が噛み合いすぎると、仕事しすぎる」という点が地味に効いてしまっていると思います。

計算式だけなら相当に格闘すれば防御力の価値を上げることは可能ですが、能力上昇関係をどうするかが作る上での意外な障害な気がします。

Re:どうもはじめまして 奈々(なな) (2015/08/16 17:02)

はじめまして、コメントありがとうございます。
興味深い視点でしたので、お返事で考察してしまいました。

確かに、基本パラメータの話として除外していましたが
属性耐性値の影響が大きいことも無視できませんね。
(割合=乗算の扱いが難しい点については、何度か言及した気がします)

ただ、属性耐性値の影響については、設定の問題であると思います。
例えば攻撃力と防御力は1:1の価値であるべき、という前提と同じく
マイナスの耐性値はプラスと同じくらい利用すべき、という前提があるかと。
50%の耐性があれば、防御力の価値は半分になるのと同じく
200%の弱点があれば、防御力の価値は倍になりますからね。

また、属性が全部で10種類程度なら
1つのダンジョンで登場する敵の攻撃属性は2~3種類となります。
そうすると「耐性値が付くのは装飾品のみで、単属性20%程度が基本」や
「耐性値付与は10%が上限、つまり重ねがけしても効果が薄い」
など耐性値付与を低めにするバランス取りも必要になると思います。

この辺り、デフォルト設定もそうですが
どうしても味方の装備には耐性値を安売りしてしまい
敵に対しては明確な弱点を設定する傾向にあると思えるため
攻撃力>防御力という構図が押し進められている気もします。

2.無題 NONAMEさん (2016/04/01 21:42) [Edit]

こんにちは。
昔からずっと考えていた内容なので書き込みます。
TRPGでは計算を人間が行う前提だからか,ダメージ-防御力 などの通常の減算を使用しているものが多いですね。
その分,コンピューターRPGと比べると回避率が高く,命中率が低めに設定されています。昔のローグやウィザードリィのようなバランスと言った風でしょうか。
また,TRPGでは属性ごとに防御力が設定さているゲームも多いです。こちらはSFCのロマサガなどですね。少し前のドラクエも属性ダメージは装備品に設定された耐性値で減算処理を指定ましたね。
ドラクエなんかでは攻撃力を参照する行動よりも呪文やブレスの方が痛い傾向が大きかったので,耐性重視で装備を組んだものです。ある意味,ゲーム上の数値には出ていませんが,属性ごとの防御力を重視しているといえるでしょうか。
攻撃力がなければ相手を倒せませんから攻撃力が一番大事なのはある意味当然といえますが,防御力も重視させたいバランスにするには最大HPを減らす,回復技を弱くするなどの工夫が必要かと思われます。
ペーパーマリオRPGのバランスに近いですね。あれも結局,攻撃力ガン積みが最速ではありますが,防御を重視してみても強いバランスです。

ツクールに限って言うと,安易に全体回復をプレイヤーに与えるのは良くないですね。デフォルトでも「かばう」,「挑発」などのダメージを集中させる仕組みがあるので,防御役の防御力を上げる価値が増加し,単体回復と防御コマンドを使用してその好きに他のキャラが攻撃する戦術をシステムレベルで推奨したいです。
これは世界樹の迷宮シリーズの思想に近いでしょうか。

昔のツクールはドラクエが元ネタだったのが,属性の概念はFFになり,比較的最近出来たヘイトコントロールが世界樹といえます。
これでデフォルトのシステムでもかなりバランスが良くなったと思えます。
それでもデフォルトの式では防御力と魔法攻撃の価値は低いですが。

Re:無題 奈々(なな) (2016/04/03 17:55)

こんにちは。興味深く読ませて頂きました。
どの内容も同意ですが、一概に良い(正しい)あり方を考えるより、この話題に関しては、例えば以下の3つで別けて考えたほうが良いかもしれません。
・アナログかデジタルか
・1回の戦闘が重いか軽いか
・ゲームオーバーがあるかないか

まず回避率に関しては、正しくアナログゲームとデジタルゲームの違いかと思います。
例えばダイスをプレイヤーが振って「外した」場合は納得できますが、オートで計算され「外れた」場合は理不尽に感じます。
気持ちの問題なので、ボタンを押すなどのアクションを入れたり、或いは多人数ならまた違うと思います。
その感覚を除けば、30%の回避率と30%の軽減率の価値は変わらないかと。

それから、プレイヤーがスキルや装備を色々考えて選ぶというのは、
ゲームバランス的には理想ですが、実際にはツクールデフォルトの仕様だと、
頻繁にスキルや装備を選ぶのはプレイヤーの労力になってしまいます。

なのでHPを下げ回復手段を縛るなど「戦術的な」要素を入れる場合は、1回の戦闘が重めで戦闘回数は少ないゲームが。
逆に属性毎の防御力があり装備を考えるような「戦略的な」要素は、1回の戦闘が軽めで戦闘回数が多いゲームが。
それぞれ適しているように思います。

最後に、改めて防御力の価値がない理由は「負け」がないためでしょうね。
基本的にシナリオを追うRPGでは、セーブが簡単なのでゲームオーバー=その戦闘のやりなおし程度のペナルティで、また「詰み」も発生しないように作られます。
こういうゲームでは、どうしたって防御専用のステータスは最低限で十分です。
逆にローグライク系・高難易度・隠しダンジョン・マルチエンディングなど、
本当の意味での「負け」がある(許される)ゲームは、防御力に価値があることが多いですよね。

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HN:奈々(なな)
RPGツクールVXAceを中心に製作を行っています。 スクリプト、イラスト、ドット絵など広くちょこちょこ手を出していますので、 できる範囲で他のツクーラーさんのお手伝いができたらなと思っています。